週末!30歳カウントダウン

スーパーつぶやき

ジブリ映画のトラウマ

 

 

 宮崎駿のあの世界観で、トラウマを覚えた人は何人もいるだろう。

人それぞれ「小さい時に見て、怖くてそれ以降見れなくなった」というのは少なくとも1つ2つあってもおかしな話ではないはずだ。

 

 例えば、もののけ姫。わたしは赤いミミズみたいな呪いがとにかく怖かった。シシガミの首を射止めるシーンも息を飲んだし、モロの首が飛んでくるシーンも「何で生首が飛んできたの」と騒いだことも覚えている。金曜ロードショーで観た後は怖くて眠れなかった。もう二度と見るものか、と誓ったものだ。

 しかし、大人になってからもののけ姫を見ると、呪いや祟り、それから自然と工業化の共存について少々理解が深まった(気がする)ため、以前より怖いと思うシーンは少なくなった。モロの首が飛んでくるシーンを「祟りを表現されている」と感心してしまうほど余裕を持てるようになった。とはいえ、一人でもののけ姫は正直見れる自信はないが。

 

 トトロだ。

小さい頃は何にも考えず口を開けてビデオを見ては、トトロの主題歌を歌い、いつか自分もトトロに会えるのではないかと夢見て、近所の林に遊びに行ったりした。ネコバスに乗ってみたい、トトロのお腹に乗ってみたい、まっくろくろすけを見てみたいなど、いろんなことを考えたものだ。しかし、トトロの場合は大人になった今こそ、見返すことができない。

 

 以下、完全に「私の話」になるが。

 まず一つ。トトロやネコバスって結局何だったんだというところだ。森の妖精にあたるものではあるという理解はあるものの、それらを主役に、そしてタイトルにするに値する彼らの情報が少なすぎる。それが怖いのだ。分からないから怖いのだ。もののけ姫も小さい時は「分からなかったから怖かった」のだ。トトロは、もののけ姫とは逆で、大人になった今こそ見る事ができない。多くの考察ができてしまうほど、物語に隙があるため、トトロの都市伝説は精度が高すぎる。(都市伝説は決して信じてはいないが)

 今トトロを見たら、シーンが一つ変わるたびに一時停止をして「何で?」と聞くと思うので、今後27歳女と一緒にトトロを見る人は要注意だ。映画に集中できないと思う。

 

もう一つある。サツキだ。

 しっかり者のサツキが「お母さん死んじゃったらどうしよう」と、カンタのおばあちゃんの前で子供のように大泣きするシーンが見てられない。あまりにも可哀想なのだ。嫌な顔ひとつ見せずにお父さんのお弁当を作り、眠くなって寝てしまう妹のメイを雨の中で負ぶってバスを待つ。お母さんの病院に電話するシーンなんかどこから見ても12歳には見えない。サツキが背負っているいろんなものが、すべて崩れ落ちるあのシーンは、本当に心が痛む。カンタのおばあちゃんに唯一甘える事ができて本当に良かったと思う。もしこの時、大人に甘える事ができなかったら、きっとサツキはその後、まともな成長を迎えることが難しくなったのではないか。ああブログを書いている今も泣きそうだ。あのシーンは本当にきつい。

 

 大人になると「物語中に不明点があることを知る」ことと、「今まで分からなかったことが理解できるようになった」ことによって、見方が変わるジブリ映画は出てくるはずだ。これは人それぞれあるかと思うので、「子供の時は◯◯だったけど、大人になって見てみると△△だな」というのをいろんな人に聞いてみたい。

 

 ちなみに、27歳女現在、ジブリ映画で一番好きな映画は何かと聞かれたら迷わず風立ちぬを選ぶ。映画館で見た後「結婚するならこういう人と結婚しなさい」と母親に言われたことも今でも覚えている。今でもその言葉に異論はないし、あのラブストーリーは言葉にするのがおこがましいほど大変素敵である。

 

 あと言い忘れたけど、トトロは結構所々BGMが不気味で怖い。久石譲宮崎駿の考えている世界観を100%知ることは私にとって一生不可能なのかもしれない。真の天才なのだと思う。すごいよね